学習計画とスタディ・ログをもとに生徒が自らの学習進捗に合わせて学習する、個別最適な指導・学習のユースケース創出を目指し、複数のEdTechサービスを活用した学習進捗状況の連携方法や、PLR(※)・LMSへのデータ連携における学校内外での課題等を明らかにする。
※ PLR(Personal Learning Records):異なる EdTech の間のデータを相互運用する仕組みの構築を目指して、学習者が自らのデータポータビリティをもち、自らの学習ログを一括して蓄積・利活用できる仕組み
EdTechによる自己調整学習を実現するための課題
「EdTechによる自己調整学習」を実現するためには、公共教育内外での学習ログ一元化をする必要があります。学習ログの一元化にあたってはPLRやLMSの活用が想定されます。それらを活用することで得られるメリット・課題を明らかにするために「1)PLRによる公共教育内外の学習ログ一元化の調査」「2)LMSによる公共教育内の学習ログ一元化の実証」「3)LMSとEdTechの連携による学習ログ一元化の調査」の3つの調査を行いました。
実証1)PLRによる公共教育内外の学習ログ一元化の調査
PLRを通して学校と民間教育の学習ログを一元化する際の課題を明らかにするために、生徒・学校・民間教育にアンケート・ヒアリング調査を行いました。
実証2)LMSによる公共教育内の学習ログ一元化の実証
公共教育内データを一元化することでどのようなメリット・課題・活用方法が得られるのかを明らかにするために、公共教育内データの一元化・データを活用した指導を数ヶ月間に亘って行った後、実施前後の変化について生徒・先生にアンケート・ヒアリング調査を行いました。
実証3)LMSとEdTechの連携による学習ログ一元化の調査
EdTechの学習ログをLMSへ連携する場合の各EdTech事業者におけるメリットと課題を明らかにするために、Edtech事業者にヒアリング調査を行いました。
公教育内外の学習ログ一元化の実現における障壁
公共教育内外の学習ログを一元化して学校・民間教育・学習者自身が活用するためには、①学習者へのデータオーナーシップの移転、②安全な情報流通手段の確立、③PLR事業者のサービス改善、の取り組みが必要であることがわかりました。
公共教育内の学習ログ一元化によるメリット・実現のための課題
ログ一元化で得られるメリットについては以下のことが明らかになりました。
・学習記録が定着した生徒の実証前後の変化から、LMSに一元化された公共教育内の学習ログを活用して先生が支援をすることで生徒の自己調整学習が促進される可能性が示されました。
・LMS導入による明確なメリットとして「各デジタル教材の活用状況のモニタリング負担軽減」が得られることが明らかになりました。
・学習ログが蓄積された場合には「指導改善」「主体性評価の参考資料としての活用」「先生間での情報共有コストの削減」の効果も得られることが明らかになりました。
・将来的には「ポートフォリオとしての利用」「学外での学習を考慮した成績評価」への活用も検討の余地があります。
公共教育内の学習ログをLMSに一元化し、そこからメリットを得るためには次の課題を解決する必要があると考えれられます。
・手動記録負担の軽減
・先生のデータ活用オペレーション面での課題解消
・学習ログがない生徒が不利益を受けないための対策
EdTechが外部LMSと連携する理由・しない理由
EdTech事業者と外部LMSとの連携を促進させるためには、Edtech事業者に対して外部LMS連携で得られる明確なメリットや必然性を提示することが必要と考えられます。
EdTechが外部LMSと連携する際のデメリット
多くはLMS事業者の創意工夫で解決すべきデメリットですが、情報資産社外流出リスクについては、学習データを社外連携する構造から生じるため、EdTech事業者が安心安全にデータ連携するために規制等の制度的手当が必要と考えられます。
<学校法人石川高等学校>
・(先生用)iPad
・(生徒用)iPad
・(通信環境)Wi-Fi
クラーク記念国際高等学校 横浜青葉キャンパス
・(先生用)windows10
・(生徒用) iPad
・(通信環境)Wi-Fi
https://for-school.studyplus.co.jp/
https://info.studyplus.co.jp/
実証事例名 | EdTechの学習ログ利活用とPLRによる公共教育内外の連携に関する実証 |
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受託事業者名 | スタディプラス株式会社 |
実証年度 | |
事業カテゴリー種別 | |
実証校 | 学校法人石川高等学校、クラーク記念国際高等学校 横浜青葉キャンパス |
対象 | |
対象学年 | 高校1-2年生 |
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